「狐笛のかなた」 上橋菜穂子著 読みました。
最近、上橋作品ばかり読んでいます。 だって面白いんですもの。 「聞き耳」の才のある主人公小夜は、子供のころ犬に追われ怪我をした子狐を救ったが、 その子狐は隣国から送りこまれた、この世と神の世の「あわい」に棲む霊狐・野火だった。 数年後、春名の国と、その隣国 湯来の国とのの争いに、小夜も巻き込まれる運命にあった。 春名の国側で呪者としての才能がある人間の小夜と、狐笛を持った主に命を握られ 使い魔にされた湯来の国側の野火。 敵に属する相手に心惹かれあう二人。 ファンタジーという分類で、子供向けなのかといえば大人も楽しめる、 それはこのしっかりとした世界観に入りこんで酔いしれることができるからだと思います。 いがみ合う二国の領主が呪者を召抱え、呪いや結界を敷いて、その侵攻を抑止したり、 一方の国ではその総領息子が大きくなるまでは、死んだことにして隠して育てたり、 というのは単純な筋ではあるけれど、あわいとか霊狐や呪者が出てくるその世界観を、 読み手の頭の中にふわぁっと気持ちよく広げさせるのが、この本の醍醐味です。 「小夜と野火の二つの魂の物語」という作品紹介ですが、それは後半にぐぐっと迫って くるものであって、全体を通しては春名の国と湯来の国の領地争いの側面からも楽しめます。 今、三国志(漫画)を読んでいるからかも。(^^;
by pipina_tuc
| 2009-01-06 22:36
| 本日記
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